おとし文ができるまで「創作までの道」
一代一菓の心得
「伝統に甘えず、時代にマッチした新しいお菓子を創りだすこと。」これは清月堂本店代々の家訓であり、当主の責任です。三代目社長で現会長の水原正一朗が創作したのが、清月堂を代表する銘菓「おとし文」。創作までの過程を伺いました。「銀座に新しい感動を」という願いを込めて

清月堂本店会長
水原正一朗
水原正一朗
普通『きみしぐれ』というと、中がこし餡で周りが黄味餡なのですが、ある方から、内側を黄味餡に、周りをこし餡にしたらどうかとアドバイスをくれたことが、おとし文を作る事になったきっかけです。
黄味餡ですが、黄味独特のにおいを抑えることに苦労しました。色々試してみた結果、和三盆糖を使うことで、黄味独特のにおいを消すことに成功しました。
おとし文は柔らかくホロホロとした食感が特徴です。きみしぐれを作る上で、柔らかいとなかなかひび割れないのを、ひび割れるように作ることも非常に大変なことでした。
こちらも色々と改良の末、小豆に米の粉を混ぜる事によって、綺麗にひび割れができるようになりました。
おとし文の食感は、ホロホロとした、ほのかに人を想う心を表したものです。平安時代の恋文になぞらえて、筆を落とすという意味の「おとし文」という名前をつけました。
最初に作った時は棹菓子だったのですが、お客様が食べ易いように、一口サイズにしたら、ご好評を頂きまして評判になりました。
清月堂の餡は、美味しいと言って頂いていますが、やはり初代からの技術の伝統があるのだと思います。羊羹やおとし文もそうですが、素材の味を生かす餡の味が、清月堂の味なのだと思っています。」
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