清月堂本店
あいさつ最中

清月堂本店の新作銘菓「あいさつ最中」

はじめまして、お元気ですか、がんばって、ありがとう、また会いましょう。日々を彩るやさしいことば。人と人との繋がりを大切に思い作り上げた「あいさつ最中」です。

開発秘話

創業111年記念商品「あいさつ最中」について、社長と工場長から開発秘話やお菓子への思いを語っていただきました。


水原社長インタビュー
水原社長インタビュー


餡の美味しさが伝わるお菓子を作りたい

清月堂本店には「一代一菓」という心得があり、自分はこれまで「よもの峰」や「銀座のこもれび」を開発してきましたが、清月堂の柱となるまではいかず、新しい商品を作らねばという思いはいつも持っていました。
次の新商品を考えるとき、まずは清月堂の理念を見直そうと一昨年8月から「橋渡しプロジェクト」を立ち上げ、清月堂の存在意義や清月堂らしさとは何か?を考えました。そこで従業員やお客様にご協力いただきアンケートをとった結果、「あんこが美味しい」という声が多かったんです。だけど現状ではこしあんやつぶあんを使った主力商品がなく、このようなお声をいただいているのにもったいないなと思いました。
餡の美味しさをストレートに伝えるお菓子はいくつかありますが、和菓子の五大要素は饅頭・大福・羊羹・どら焼き・最中と言われており、この代表的なものの中で清月堂の柱になるお菓子を作りたいと思い、最中を選びました。



概念を打ち破る-開発中は常に葛藤していた

今回の商品開発は「和菓子とはこういうものだ」という自分の中の物差しの外へ考えを向け、今までの概念を打ち破っていかなければならないと思っていて、その思いを貫き通すことが大変でした。

最初に握手をしている形の案がでたとき、「手の形のお菓子か・・・難しそうだな」とちょっと否定的には感じました。でもそこでやめようという話にしたら今までと同じだと思い、どうにか工夫して形を丸いハートに寄せていったことで可愛らしく仕上がったと思います。

また、菓銘も「あいさつ最中」と使い道が分かりやすくストレートな菓銘ですが、今まで開発したお菓子・・例えば「よもの峰」のように、菓銘を聞いてもどんなお菓子か分からない凝った名前にしようか迷いました。和菓子の名前ってそういうものだろうと思っていたから。でもそれでは従来の殻を破ることができない。包装や箱についても同じです。すべての過程において、従来通りにいくのか、コンセプトに徹して新しいことでも受け入れるのか、ずっと葛藤していました。だけど初心に返れば、新しい試みをしようと始めたものなので、それに徹しようと。 今回は開発メンバーだけでなく従業員全員に協力してもらい、今までにない新しい案が出てどうしようか悩んでも、多方面から意見を聞いて納得して進めていくことができました。みんなの意見がなければ保守的になり、今まで通り自分の考えに添って進めることしかできなかったと思います。


自分の気持ちを伝えるときに使えるお菓子

あいさつ最中はやはり北海道産とよみ大納言の存在感が自慢です。粒が大きいので食べたときの食感が楽しめるし、風味もとても良いです。 あと、お客様の用途に添ったお菓子だと思います。「美味しいから」といって贈る以外に自分の気持ちを伝えたいときに使えるのがいいですよね。


「お菓子で人を幸せにしたい」

自分は「お菓子を売るだけでなく、お菓子を通じて社会に貢献したい」という思いがあります。清月堂の存在意義は「お菓子で人を幸せにすること」だと思うので、清月堂のお菓子を食べて幸せで温かい気持ちになったという人をもっと増やしたいです。

あいさつ最中が清月堂の看板商品になりお客様に認めていただけるようになるまでしっかり広めていき、また時期をみて創業120年、130年に向けて新たな商品を作りたいと思います。



堀内工場長インタビュー
堀内工場長インタビュー

インパクトのあるお菓子を作りたい

握手をしている形を考え出したのは、今話題の「映える」商品・・見たときにインパクトのあるものが作れればと思ったんです。「気持ちをつたえ、心をつなげる」というコンセプトと、創業記念・お客様へ感謝の気持ちとこれからも繋がっていくという思いで、握手をしている形が思いつきました。でも、見映えがよくても味が悪ければ続かない。清月堂の良さってなんだろう?と考えたとき、餡の美味しさだと思い、餡にこだわった最中にしようと思いました。


「とよみ大納言」の魅力

小豆選びは大変でしたが、とよみ大納言という最良な小豆に出会えたと思います。存在感のある大きな豆、まん丸な形も可愛いでしょう?(笑)
この豆をいかに潰さず、尚且つ食べたときには豆の皮が口に残らないよう、調整し煉り上げていけるかが製造上でとても大きなポイントになります。ゆっくり丁寧に、時間をかけて仕上げています。

最中の形や大きさ、餡の味など何度も試作をし社内アンケートをとり、清月堂本店全体で取り組んで完成したのがあいさつ最中であり、みんなで作り上げたという達成感があります。しかしまだここで終わりではなく、これからも改良を進めて愛され続ける最中に成長していってほしいと思います。


あいさつ最中は自分の願いが叶ったお菓子

自分があいさつ最中を贈るとしたら、まずは家族に「いつも和菓子のことばかり考えていてごめん、ありがとう」という気持ちを込めて送りたいですね。そして、いつも応援してくれる両親に「ありがとう」と感謝の気持ちを込めて。僕が和菓子職人を目指すきっかけのひとつに、自分が作った和菓子を友達や両親に気軽に渡せるものを作りたいという思いがあったので、願いがひとつ叶ったお菓子だと言えます。
これからもお客様の目線に立って何が求められているかを常に考え、お菓子を作っていきたいと思います。



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