創業記念日のご挨拶

いつもご愛顧いただきありがとうございます。

明治四十年八月二十七日創業から百十五年が経過しました。
この間、関東大震災、第二次世界大戦では銀座本店が焼失し何もないところから立ち上がりました。関東大震災後は銀座松屋さんの前で川越の親せきから送ってもらった芋を販売するところから再興したと聞いています。
戦後は渋谷東横のれん街から始まった各百貨店の食品名店街に出店、羽田空港旧ターミナルにも出店し高度経済成長とともに発展してきました。

創業者は、日本橋小網町にあったみはし堂さんで修業し現在本店のある銀座七丁目(旧町名は木挽町)で創業しました。上生菓子や水ようかん、葛桜といった季節の生菓子を得意としていましたが、二代目に対しては自分の代に自分のお菓子をつくるようにと「一代一菓」という言葉を残し、二代目は半生菓子の「江戸好み」、三代目は「おとし文」を作りました。四代目の私は創業百十一周年の時に従業員とともに「あいさつ最中」を作りました。

コロナ後の清月堂本店を考えたときに、清月堂本店の原点を思い起こします。
伝統的な和菓子と時代に合った清月堂本店らしいお菓子つくりの両立をこれからも目指してまいります。私自身も現場に立ちお客様と会話をしながらお菓子を販売するという商売の原点に立ち返ります。

唯一無二のおいしさを目指してお菓子つくりに精進してまいりますので、これからも清月堂本店を宜しくお願いします。

四代目社長水原康晴